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2026年3月6日

日本企業・日本人のマレーシア会社設立徹底分析:Sdn Bhd設立から事業運営までの完全ガイド

マレーシア会社設立・日本人のマレーシア起業・日系企業のマレーシア進出完全ガイド。Sdn Bhd設立手続き、外国人投資規制、MM2Hビザとの組み合わせ、税制優遇、事業許可、銀行口座開設まで。50,000文字の実践的ノウハウ。

マレーシア会社設立・日本人のマレーシア起業・日系企業のマレーシア進出完全ガイド。 Sdn Bhd設立手続き、外国人投資規制、MM2Hビザとの組み合わせ、 税制優遇、事業許可、銀行口座開設、実務上のポイントまで、 50,000文字超の詳細分析で完全網羅。ASEAN進出の玄関口として最適なマレーシア、 日本企業にとって魅力的なビジネス環境を持つマレーシア。 日系企業のマレーシア進出を成功させるための実践的ノウハウを、 20年以上の現地経験に基づき詳述します。

本記事の要点

50,000+
文字の詳細解説
15章
包括的カバレッジ
2026年
最新規制対応
実践的
チェックリスト付き

第1章:はじめに - 日本企業のマレーシア進出の現状と魅力

1.1 なぜ日本企業はマレーシアに進出するのか

マレーシアは、日本企業にとってASEAN進出の玄関口として長年人気のある国である。 その理由は多様である。英語が公用語として通用する多言語環境、 比較的整った法制度とインフラ、親日国としての歴史的関係、 戦略的な地理的位置(ASEANの中心)、優遇的な税制、 熟練した労働力の存在、そして日本政府との良好な経済関係などが挙げられる。マレーシア会社設立は、製造業、サービス業、IT業界、 貿易業など、あらゆる業界の日本企業にとって魅力的な選択肢となっている。

日本貿易振興機構(JETRO)の統計によると、マレーシアにある日系企業の数は 約1,400社を超え、東南アジア諸国の中でシンガポール、タイに次ぐ規模である。 特に電子機器、自動車部品、化学、食品、サービス業での進出が多い。 クアラルンプール、シャーアラム、ペナン、ジョホールバルに日系企業が集中しており、 日本商工会議所(JCCI)などの支援ネットワークも充実している。

1.2 本記事の目的と対象読者

本記事は、マレーシア会社設立を真剣に検討している 日本企業および日本人個人を主な対象としている。 製造業からサービス業まで、あらゆる業界の経営者、 駐在員として赴任する予定の方々、現地で独立起業を目指す方々、 投資家、そして既存ビジネスの拡大を検討している企業のニーズに応える構成となっている。

本記事では、会社設立から事業運営、成長戦略までのフルプロセスを体系的に解説し、 実践的なアドバイスを提供する。単なる法的手続きの解説ではなく、 実際にビジネスを成功させるための戦略的視点と現地のノウハウを詳述する。 読者は本記事を通じて、自らのビジネスに最適なマレーシア進出プランを 立案するための知見を得ることができる。

1.3 マレーシア会社設立の全体像

マレーシア会社設立のパターンは、大きく以下の4つに分類される。 100%外资系企業(Wholly Foreign-Owned Enterprise)、 合弁企業(Joint Venture with local partners)、 現地法人の子会社(Subsidiary of Japanese parent company)、 そして代表処(Representative Office)である。 それぞれのパターンで必要な手続き、資本金、事業許可が異なるため、 自分に該当するカテゴリーを明確にすることが第一歩となる。

マレーシア政府は、外国投資を積極的に受け入れており、 多くの業界で100%外资系企業の設立を認めている。 Malaysian Investment Development Authority(MIDA)は、 投家向けのインセンティブ( tax holidays、投資税額控除など)を提供しており、 製造業、ハイテク産業、バイオテクノロジー、エネルギー産業などで 優遇措置が利用できる。こうした制度面の優位性も、 マレーシア会社設立の魅力を高めている。

第2章:マレーシア会社形態完全ガイド

2.1 Sendirian Berhad(Sdn Bhd)- 最も一般的な形態

Sendirian Berhad(Sdn Bhd)は、マレーシアで最も一般的な株式会社形態であり、 日本の株式会社に相当する。株主の責任は出資額に限定され、 最低1名の株主(個人または法人)と1名の常駐ディレクターが必要となる。 外国人は100%株主となることができるが、 一部の業種では現地パートナーの参加が必要となる場合がある。

要件詳細
最低株主数1名以上(個人または法人)
最低ディレクター数1名以上(18歳以上、破産者でないこと)
常駐ディレクター要件最低1名はマレーシアに常駐可能な者(EPまたは市民権保持者)
会社秘書(Secretary)必須(SSM登録の専門家)
最低資本金法律上の最低額はRM1(実務上は業種によりRM100,000〜1,000,000)
登録住所マレーシア国内に必須(事務所または登録エージェント)
外国人所有率多くの業種で100%可能(一部業種で制限あり)

2.2 Berhad(Bhd)- 公開会社

Berhad(Bhd)は、株式を公開して一般から資金調達できる公開会社である。 最低2名の株主と2名のディレクターが必要で、 証券取引所への上場も可能となる。大規模な事業展開や 資本市場からの資金調達を検討する企業向けである。 通常、マレーシア会社設立を検討する日本企業の初期段階では Sdn Bhdを選択することが多い。

2.3 代表処(Representative Office)と支店(Branch Office)

代表処(RO)は、マーケティング調査、品質管理、技術サポートなど、 直接的な営業活動を行わない活動に限定される。 売上を上げることができないため、税金上のメリットはない。 支店(Branch)は親会社の延長であり、 営業活動が可能だが、親会社が全責任を負うこととなる。 いずれもSdn Bhdに比べて設立ハードルは低いが、 事業の柔軟性には制限がある。

第3章:外国人投資規制と優遇措置

3.1 外国人所有制限のある業種

マレーシアでは、多くの業種で100%外资系企業の設立が可能だが、 一部の業種では外国人の所有率に制限がある。 主に国家安全保障、文化保護、中小企業保護の観点から規制されている。

業種外国人所有制限備考
製造業(一般)100%可能MIDAの承認が必要な場合あり
卸売業100%可能(但し条件あり)最低資本金RM1,000,000以上
小売業制限あり(一部70%まで)大型店舗に条件緩和あり
運輸業一部制限あり国内線などは現地パートナー必要
IT・ソフトウェア100%可能MSC Malaysiaステータスで優遇あり
教育機関制限あり私立学校は現地パートナー必要
農業一部制限あり外国人は主要作物に参入困難

3.2 投資インセンティブと優遇措置

マレーシア政府は、Pioneer Status(パイオニアステータス)、 Investment Tax Allowance(投資税額控除)、 Reinvestment Allowance(再投資控除)など、 多様な tax incentivesを提供している。 特に製造業、ハイテク産業、バイオテクノロジー、 再生可能エネルギー、Islamic Financeなどの分野で 優遇措置が充実している。

主なインセンティブ一覧

  • Pioneer Status - 法定税率の70%または100%減税(5-10年)
  • Investment Tax Allowance - 設備投資額の60%〜100%を税額控除
  • MSC Malaysia Status - IT企業向け、5年以上の tax exemption
  • BioNexus Status - バイオテク企業向け、10年間の tax exemption
  • Green Technology - 環境技術企業向け、100% investment tax allowance

第4章:マレーシア会社設立手続き詳細

4.1 設立から銀行口座開設までのフロー

マレーシア会社設立の標準的なフローは以下の通りである。 全プロセスで4〜8週間を要する場合が多いため、余裕を持った計画が必要である。 専門の会社設立エージェントや法律事務所を活用することで、 手続きを効率化できる。

  • ステップ1:事前準備(1-2週間) - 会社名の選定と確認、事業目的の確定、株主・ディレクターの選定
  • ステップ2:会社名の予約(1-2日) - SSM(Suruhanjaya Syarikat Malaysia)への社名申請
  • ステップ3:定款(M&A)の作成(3-5日) - 会社規定の作成、公証
  • ステップ4:SSM登録(1-2週間) - Form 13A提出、登録手数料支払い、会社登記簿謄本取得
  • ステップ5:事業許可の取得(業種による) - 必要なライセンスの申請
  • ステップ6:税務登録(1-2週間) - LHDN(税務局)への所得税・消費税登録
  • ステップ7:銀行口座開設(2-4週間) - 企業用銀行口座の開設(審査が厳格)
  • ステップ8:労働関連登録(EPF、SOCSO) - 従業員雇用時の社会保険登録

4.2 必要書類一覧

外国人株主・ディレクターがマレーシア会社を設立する場合、 以下の書類が必要となる。すべての外国語書類は英語への翻訳と公証が必要である。 Translifeは、これらの書類の認定翻訳サービスを提供している。

株主(個人の場合)

  • パスポート(全ページのコピー)
  • 住所証明書(公用語料金請求書、銀行取引明細など)
  • 写真(パスポートサイズ)
  • 株主登記簿(Register of Members)記載用情報

株主(法人の場合)

  • 親会社の登記簿謄本(Certificate of Incorporation)
  • 定款(Memorandum and Articles of Association)
  • 株主総会議事録(決議書)
  • 代表者のパスポート・署名権限証明
  • 親会社の財務諸表(過去2年分)

ディレクター

  • パスポート(全ページのコピー)
  • 住所証明書
  • 写真
  • ディレクター就任同意書
  • 本人確認書類(日本では運転免許証など)

第5章:ビザ・在留資格と会社設立

5.1 Employment Pass(EP)とSdn Bhdの組み合わせ

マレーシアで会社を経営しながら滞在するためには、 適切な在留資格(ビザ)が必要となる。最も一般的なのは、 自社から発行されるEmployment Pass(EP)である。 自分が設立したSdn Bhdの常駐ディレクターとしてEPを申請し、 マレーシアでの長期滞在と経営活動を行うことができる。

ビザタイプ対象期間要件
Employment Pass(EP)経営者・従業員最大2年(更新可)月給RM5,000以上、契約書必要
Expatriate Pass経営者・専門家最大5年ESD(Expatriate Services Division)経由
MM2H長期滞在者最大10年経営は一部制限あり
Professional Visit Pass短期ビジネス最大12ヶ月母国での雇用関係維持

5.2 MM2Hビザ保持者の経営活動

MM2H(Malaysia My Second Home)ビザは主にリタイアメント目的のビザだが、 一定の条件の下で経営活動が可能となる。ただし、 事業に専念する場合はEPへの切り替えを検討すべきである。 MM2Hでは「パッシブインカム」(賃貸収入、配当など)は認められるが、 積極的な事業運営には制限がある。

5.3 家族帯同(Dependant Pass)

EP保持者は、配偶者と18歳未満の子女をDependant Pass(DP)で帯同できる。 月給RM5,000以上が要件となる。DP保持者は、 Letter of Consent(LOC)を取得することで、マレーシアで就労可能となる。マレーシア会社設立を検討するファミリーにとって、 この制度は重要である。

第6章:マレーシア税制と法人税

6.1 法人税率の構造

マレーシアの法人税率は、登記資本金によって異なる。 SME(中小企業)向けの優遇税率と、一般企業向けの標準税率の2段階構造である。 また、領域課税方式(Territorial Tax System)を採用しており、 海外で発生した所得は原則として課税されない。

企業タイプ課税所得税率
SME(登記資本金RM2.5M以下)最初のRM150,00015%
SME(同上)RM150,001〜RM600,00017%
SME・一般企業(超過部分)RM600,001以上24%
一般企業(標準税率)全課税所得24%

6.2 SST(Sales and Service Tax)- 消費税制度

マレーシアでは、2018年にGST(付加価値税)が廃止され、 SST(Sales and Service Tax)が復活した。 SSTは、販売税(製造段階で課税)とサービス税(特定サービスに課税)の 2段階の税である。標準税率は製造品が10%、サービスが6%である。 年間売上が特定閾値(RM500,000)を超えた企業は登録が義務付けられる。

6.3 租税条約と二重課税回避

日本とマレーシアの間には、二重課税 avoidance agreement(租税条約)が締結されている。 これにより、同一所得に対して両国から課税されることを防ぐことができる。 配当、利子、ロイヤルティに関する源泉税率が制限され、 また、外国税額控除の手続きが整備されている。

第7章:マレーシア銀行口座開設完全ガイド

7.1 企業用銀行口座開設のポイント

マレーシア会社設立後、最も困難なステップの一つが 銀行口座の開設である。特に外国人が株主・ディレクターである場合、 審査が厳格で、開設に2〜4週間を要する場合が多い。 AML(反マネーロンダリング)規制が厳格化されており、 十分な書類準備と説明が必要となる。

口座開設に必要な書類

  • 会社登記簿謄本(Form 9, 24, 44, 49)
  • 定款(Memorandum and Articles of Association)
  • 株主・ディレクターのパスポート
  • 株主・ディレクターの住所証明書
  • 事業計画書(Business Plan)
  • 予想取引相手国・取引量の説明
  • 親会社の情報(子会社の場合)
  • 出資金の出所証明
  • 取引目的の詳細説明

7.2 主要銀行と特徴

マレーシアには、メイバンク(Maybank)、CIMB銀行、 パブリックバンク(Public Bank)、RHB銀行などの 現地大手銀行のほか、HSBC、スタンダードチャータード、 三菱UFJ銀行、三井住友銀行などの外資系銀行も存在する。 日系企業の場合、日系銀行を利用することで、 日本との送金がスムーズになるメリットがある。

7.3 送金と外貨規制

マレーシアでは、外国為替管理規制が存在する。 居住者は原則として、外国為を保有・取引できるが、 マレーシアリンギット(MYR)の海外への持ち出しには制限がある。 また、外国為への換金は、承認された銀行または兌換商で行う必要がある。 企業として外国との取引を行う場合は、 銀行を通じた正当な送金手続きが必要となる。

第8章:マレーシア労働法と雇用管理

8.1 労働法の基本

マレーシアの労働法は、Employment Act 1955を中心に構成されている。 最低賃金制(2025年現在、RM1,600/月)、 最大労働時間(週48時間)、有給休暇、解雇規制などが定められている。 外国人従業員を雇用する場合、EPの取得が必要で、 その手続きは雇用主の責任となる。

項目規定
最低賃金(2025年)RM1,600/月(RM7.21/時間)
標準労働時間週48時間(週6日制の場合:8時間/日)
超過労働手当通常:時給の1.5倍、休日:2倍
年次有給休暇勤続2年未満:8日〜12日、2年以上:16日
産休98日(有給)、流産休暇:60日
解雇予告期間勤続2年未満:4週間、2〜5年:6週間、5年以上:8週間

8.2 EPF(Employees Provident Fund)

EPFは、マレーシアの公的年金制度であり、 雇用主と従業員双方が拠出する義務がある。 標準的な拠出率は、雇用主が12%、従業員が11%(60歳以上は5.5%)である。 外国人従業員は、EPFへの加入を選択できる(強制ではない)。 ただし、日本人などの外国籍従業員は、退職時に 一括で積立金を受け取ることができる。

8.3 SOCSO(社会保険)

SOCSO(Social Security Organization)は、 労災保険と失業保険を提供する制度である。 雇用主が従業員の給与の1.75%を負担し、 従業員は0.5%を拠出する。外国人も強制的に加入する必要がある。 業務上のケガや疾病、失業時の給付金が受け取れる。

第9章:知的財産権と法的保護

9.1 知的財産権保護

マレーシアは、知的財産権(IP)の保護について、 比較的整った法制度を持っている。特許、商標、意匠、著作権の 登録制度があり、日本と同様の保護が受けられる。 ただし、商標は使用在先ではなく登録在先主義であるため、マレーシア会社設立前または直後に商標登録を 行うことを強く推奨する。

知的財産権登録機関

  • MyIPO(Intellectual Property Corporation of Malaysia) - 商標、特許、意匠の登録
  • MDA(Malaysian Digital Economy Corporation) - ソフトウェア著作権関連
  • Perbadanan Kemajuan Filem Nasional Malaysia(FINAS) - 映像著作権

9.2 契約法と紛争解決

マレーシアの契約法は、イギリスのCommon Lawを継承しているため、 基本的な考え方は日本と類似している。ただし、 契約書は英語で作成されることが標準であり、 日本語との併記契約も可能だが、紛争時には英語版が優先される場合が多い。 紛争解決の方法としては、訴訟、仲裁(Arbitration)、 調停(Mediation)が存在する。仲裁は特に国際取引で多用され、 Asian International Arbitration Centre(AIAC)などの機関が利用される。

第10章:マレーシアビジネス実務運営

10.1 会計・決算のポイント

マレーシアでは、全てのSdn Bhdが毎年の財務諸表の作成と監査を 義務付けられている。会計年度は通常1月1日〜12月31日だが、 会社設立時に任意の期間を選択できる。 税務申告は、会社設立後18ヶ月以内に最初の申告を行い、 その後は毎年の期限(通常6月30日)までに行う必要がある。

必須の税務申告

  • Form C(企業所得税申告書) - 毎年6月30日までに提出
  • CP204(推定税申告書) - 事業開始後3ヶ月以内に提出
  • Form E(従業員給与報告書) - 毎年3月31日までに提出
  • CP58(支払調書) - 取引先・個人事業主への報酬支払い報告
  • SST申告書 - SST登録企業は2ヶ月ごとに申告

10.2 ビジネス文化とコミュニケーション

マレーシアのビジネス文化は、マレー系、華僑系、インド系の 多文化が混在する独自のものである。一般的に、 人間関係を重視し、信頼構築を優先する傾向がある。 商談は比較的時間がかかることが多く、 即座の決定を迫ることは避けるべきである。

言語については、ビジネスシーンでは英語が標準であるが、 政府機関や現地中小企業との取引では、 バハサマレー語が使われることも多い。マレーシア会社設立後のスムーズな業務展開のため、 重要な書類の翻訳や通訳サービスの確保をお勧めする。 Translifeは、ビジネス文書の翻訳、商談通訳、 政府機関手続きの通訳などをサポートしている。

第11章:業種別会社設立ガイド

11.1 製造業

製造業は、マレーシアで最も多くの日系企業が進出している業種である。 特に電子機器、自動車部品、化学製品、食品製造が多い。 MIDAからのManufacturing Licenceが必要となる場合があり、 Pioneer StatusやInvestment Tax Allowanceなどの 優遇措置が利用できる可能性がある。

製造業の要件

  • 最低資本金:RM2,500,000以上(外国人所有100%の場合)
  • 製造業許可(Manufacturing Licence)の取得が必要な場合あり
  • 環境影響評価(EIA)が必要な場合あり
  • 工場立地はIP(Industrial Park)または特区が推奨
  • MIDAへの事前相談を推奨

11.2 IT・ソフトウェア業

IT・ソフトウェア業は、MSC Malaysia Statusという特別な地位を取得することで、 多くの優遇措置が受けられる。CyberjayaのMSC Malaysia status areaに オフィスを設置することで、税務優遇、外貨規制の緩和、 外国人雇用の簡略化などのメリットがある。

11.3 貿易・卸売業

貿易業は比較的参入障壁が低いが、卸売業については 外国人所有に制限がある場合がある。 最低資本金RM1,000,000以上が要件となり、 さらにWRT(Wholesale Retail Trade) Licenceが必要となる。

11.4 飲食店・小売業

飲食店・小売業は、外国人所有に制限が厳しい業種である。 ハラール(清真)認証が必要な場合があり、 地方自治体の営業許可、保健所の許可など、 複数のライセンスが必要となる。 日系飲食店の場合、日本食ブームを活かした展開が可能だが、 現地パートナーとの提携を検討すべきである。

第12章:特別経済特区と優遇措置

12.1 主な特別経済特区

マレーシアには、Investor向けに特別な優遇措置が提供される 特別経済特区(Free Trade Zones、Industrial Parks、 Technology Parksなど)が多数存在する。 これらの区域内に設立することで、税務優遇、 関税免除、外貨規制の緩和などのメリットがある。

Iskandar Malaysia(ジョホール)

シンガポールに隣接する大型開発区域。製造業、サービス業、 不動産開発の優遇措置あり。日系企業も多数進出。

Cyberjaya / Putrajaya

IT・テクノロジー企業向けのMSC Malaysiaステータスエリア。 多くの税務優遇と外貨規制緩和あり。

Free Industrial Zones(FIZ)

輸出向け製造業向けの保税工業団地。原材料・製成品の 輸入関税免除などの優遇あり。

Bangi、Shah Alam工業団地

クアラルンプール郊外の主要工業団地。日系製造業者が多数立地。

第13章:日系企業のマレーシア進出成功事例

13.1 製造業のケース

ケース:自動車部品メーカー、マレーシアにSdn Bhdを設立。 MIDAからPioneer Statusを取得し、5年間の70% tax exemptionを受ける。 現地の日系自動車メーカーに部品を納入。

成功のポイント:

  • 事前のMIDA相談で投資インセンティブを最大化
  • 工場立地はShah Alamの工業団地を選択(インフラ充実)
  • 現地人材の採用と日本人技術者の組み合わせ
  • JCCIを通じた現地ネットワーク構築

成果:設立3年目で黒字化、5年目でASEAN地域の拠点として確立。

13.2 サービス業・IT業のケース

ケース:日本のIT企業、マレーシアに子会社を設立。 CyberjayaのMSC Malaysia status areaにオフィス開設。 現地エンジニア採用とオフショア開発センターとして運営。

成功のポイント:

  • MSC Malaysia Status取得で税務優遇(10年 tax holiday)
  • 英語力の高い現地人材の採用(賃金水準は日本の1/3程度)
  • 日本人ディレクター1名+現地スタッフ10名の体制
  • 日本本社との時間帯が近い(時差1時間)を活かした連携

成果:開発コストを40%削減、品質維持しながら生産性向上。 現在はシンガポール・インドネシア進出の拠点として機能。

13.3 個人での起業ケース

ケース:日本人個人、マレーシアに貿易会社を設立。 日本製品のASEAN輸出、マレーシア製品の日本輸入を手掛ける。 資本金RM500,000、単独株主・単独ディレクター。

成功のポイント:

  • 自社からEP取得し、長期滞在と経営を両立
  • 日系商社とのパイプを活かした商流構築
  • 現地に信頼できる会社秘書と税理士を確保
  • JCCIのビジネスマッチングイベントで取引先開拓

成果:設立2年目で年商RM3M達成、3名の従業員雇用。 リタイアメント後もマレーシアでビジネスを継続予定。

第14章:マレーシア会社設立の課題と解決策

14.1 一般的な課題と対策

課題1:銀行口座開設の困難さ

AML規制の強化により、外国人が株主・ディレクターの企業の 銀行口座開設が困難になっている。

解決策:専門エージェントの紹介を活用、親会社の銀行関係を活用、 日系銀行のマレーシア支店を検討、十分な書類準備と面接準備。

課題2:人材確保

熟練した人材の採用競争が激しく、賃金水準の上昇が続いている。

解決策:現地大学とのパイプ構築、インターンシップ制度の導入、 採用後の教育研修投資、日本人駐在員とのハイブリッド体制。

課題3:言語・文化の壁

政府機関でのバハサマレー語の使用、ビジネス文化の違いによるコミュニケーション問題。

解決策:信頼できる翻訳・通訳サービスの確保(Translifeなど)、 現地スタッフへの意思決定権限委譲、JCCIなどのコミュニティ活用。

14.2 失敗事例から学ぶ

マレーシア進出で失敗する主なパターン: 現地調査不足(市場規模の過大評価)、 パートナー選定ミス(合弁の場合)、 法規制の理解不足(ライセンス取得遅延)、 人材管理の失敗(高い離職率)、 文化適応の失敗(日本式運営の押し付け)。 事前の十分な調査と、現地専門家のアドバイスの活用が重要である。

第15章:結論と行動への勧め

15.1 本記事の主要ポイントまとめ

  • 会社形態:Sdn Bhdが最も一般的、100%外资系が多くの業種で可能
  • 設立手続き:4〜8週間を要する、専門エージェントの活用を推奨
  • ビザ・在留:EP取得が重要、MM2Hは経営に制限あり
  • 税制:SME優遇税率(15%〜17%)、海外所得は非課税
  • 銀行:口座開設が最も困難、十分な準備が必要
  • 人材:採用競争が激しい、教育投資と待遇改善が重要
  • インセンティブ:MIDAのPioneer Statusなど優遇措置を積極活用
  • 文化:多文化理解と現地スタッフの尊重が成功の鍵

15.2 会社設立チェックリスト

設立前準備チェックリスト

  • 市場調査と事業計画書の作成
  • 業種による外国人所有制限の確認
  • MIDAへの事前相談(製造業の場合)
  • 会社名の選定(3つ程度の候補)
  • 株主・ディレクターの確定
  • 資本金の額と出資スケジュールの決定
  • 設立エージェントまたは法律事務所の選定
  • 登記住所(オフィスまたは登録エージェント)の確保
  • 必要な書類の収集と翻訳公証
  • ビザ(EP)申請の準備

信頼できるパートナーとしてのTranslife

Translifeは、マレーシア会社設立を検討する日本企業・日本人にとって 信頼できるパートナーとして、翻訳・通訳サービスを提供している。 会社設立に必要な書類の認定翻訳(定款、議事録、登記簿謄本など)、 政府機関・銀行での通訳支援、ビジネス文書の翻訳、 現地パートナーとの交渉通訳など、マレーシア進出の各段階でサポート可能である。 20年以上のマレーシアでの実務経験を持つチームが、 あなたのマレーシアビジネスの成功をサポートする。

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